WordPressロゴのフォントMrs Eavesに隠された一ひねり

2013.06.24 | 考える。
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二ヶ月連続で寄稿しなかったら存在を抹消されかけたネカマのGreyよ。みんな、久しぶり! 元気かしら?

私は、そうね……最近、生きるっていうただそれだけのことの裏側に多くのドラマがあるんだなっていうことをよく考えるわ。

電車で股を大きく開けて眠っているOLや、パズドラで狂ったようにコンボを決めているサラリーマンを眺めていても、以前ほど「このクソが!」という思いが沸き上がってこなくなったの。この人たちにもきっとドラマがあるんだって。それぞれの人生を生きて、その結果、股を広げたりパズドラをやったりしているんだって。

それはあなたが日頃なにげなく使っているあんなものやこんなものについても同じよ。そう、それがWordPressであってもね。

WordPressのロゴに使われているタイプフェイス

WordPressは巨大なコミュニティを持っているから、なにかとしっかりしているわ。たとえば、ブログ本文中にWordPressと書く場合も、「WとPは大文字で」とか、そういうルールが決まっているのよね。ここら辺はWordPress.orgのAboutを熟読するとわかるわ。

さてさて、このロゴに使われているフォントなんだけど、Mrs Eavesというフォントなのよ。My Fontsとかで買えるわね。たしか、Small Capsを元にしていたと思うわ。$39だから、そんなに高くないわね。これに比べると、日本語のフォントってなんて高いんだろうって思うわよね。

なぜにMrs Eaves?

このフォントの名前、人の名前よね。じゃあ、イーヴスおばさんが作ったのかしら? それが違うのよ。一ひねりあるわけね。

あなたはJohn Baskervilleって知ってるかしら。

496px-John_Baskerville_by_James_Millar

シャーロック・ホームズの『バスカヴィル家の犬』とは関係ないわよ。デザイナーならよく知っているBaskervilleというフォントの元を作った人ね。18世紀イギリスの印刷業者で、ベンジャミン・フランクリンとも友達だったそうよ。また、完璧主義者として有名だったらしいわね。スティーブ・ジョブズみたいな人だったのかしら。

Mrs Eavesはこのバスカヴィルおじさんの家政婦だった人よ。そのあとバスカヴィルさんと結婚したようね。このフォントはBaskervilleをオリジナルとして作られた物だから、その婦人の名前を使ったというわけね。Mrs Baskervilleとしないところに心憎い気配りがあるわね。

WordPressのコードネーム

WordPressにはバージョン番号以外にもコードネームというのがあるわ。これはすべて、Jazzミュージシャンの名前よ。2.2のGetzはスタン・ゲッツ、2.3のDexterはデクスター・ゴードン、2.7のColtraneはジョン・コルトレーン、3.0のTheloniousはセロニアス・モンク、最新の3.5 Elvinはエルヴィン・ジョーンズよ。

なんでJazzミュージシャンの名前がコードネームになっているって? それはWordPress創始者のMattがJazz好きだからよ。名前ってそういうものでしょ?

昨今はSEOとかもあるから、明瞭な名前が好まれるわよね。「WordPressで◯◯する7の秘訣」とか、そういうやつ。でも、成功したサービスの名前にはいつだって一ひねりあるものよ。

Googleだって、登記のときに「すごく多い」を意味するGoogolの綴り間違いがそのまま通っちゃったから、とかそういう逸話があるのよ。Yahoo! は『ガリバー旅行記』の家畜人ヤプーから来てるし、必ずしもポジティブな意味だけからつくられたわけじゃないわ。ウィットがあるからって成功するわけじゃないけど、不思議なことに残っている物にはそれぞれ一ひねりあるのよね。

あなたも自分の作った作品に名前をつけるとき、一度立ち止まって考えてみてはどうかしら。Googleの検索結果が大事? でも、Googleはスペルミスだけど、世界で一番有名なサイトになったわよ。

WordPressをインストールするとき、サイト名の入力は一瞬で終わるわよね。でも、そこで立ち止まってみて、あなたなりの遊び心を入れてみるのもきっと悪くないと思うわよ。

そんじゃーね!