一ヶ月ぶりね。バナーを作っていたらもう精根尽きはててモチベーションがあまり残っていないGreyよ。WordPressを利用したサイト制作の開発費がいったい高いのか安いのかを考えてみたわ。
結論:ケース・バイ・ケース
はい、結論でたわね! そうよね! 世の中のことって大体ケース・バイ・ケースよね! 私はネカマだからなんでもグレーでいいんだけど、今日は皆さんのためにもうひと頑張り。ネカマらしく発注する側(クライアント)、制作を請け負う側(ベンダー)の両方から考えてみるわよ。
前提1. WordPressは無料、プラグイン・テーマもほとんど無料
これはWordPressの開発費を考えるにあたって忘れてはならない大前提ね。一般的なWebサイトに必要なほとんどの機能がまるっと無料で手に入るわ。これは双方にとってこんな印象なんじゃないかしら。
- クライアント……え、そんなに安くできるの? もうWordPressでいいじゃん
- ベンダー……ベース無料だから提案しやすいなあ! でもハードル上がってるかも
前提2. 有料サービスも極度に安い、が。
WordPressには幾つかのプレミアムサービスがあるわ。だいたいこんな感じね。
- WP Engine……ホスティング
- WP Booster……CDN
- VaultPress……バックアップ&セキュリティ
こういうのは月額幾らのサービスなんだけど、そんなにお高くはないのよね。かなり規模の大きいサイトでも月々の携帯代金ぐらいで済んじゃうところがほとんどじゃないかしら。反応はこんな感じよね。
- クライアント……CDNってなんぞ……? 現状動いているからいらないかな。
- ベンダー……設定しても自分にはお金が入らないから、提案フィーをどうしようかな。
クライアント・ベンダー双方に知識があればいいんだけど、そうじゃない場合、「なぜCDNを利用するのに毎月お金を払わなければいけないのか」ということを納得するのは難しいわよね。
本来なら、サイトの速度や安定性が向上したことによって得られる収益が明らかにサービス導入の費用を上回っていればそれで済むんだけど、そこまで明確に数値化できない状況も多々あるわね。
逆に言えば、そこさえ数値化できてしまえば、この値段が高いか安いかは明白よ。
前提3. 有料テーマやプラグインも安い、が。
有料テーマやプラグインを販売しているところはたくさんあるけど、今回はWooThemesを例に紹介するわ。
WooThemesは南アフリカはケープタウンにオフィスを構えるWordPress有料テーマ販売サービスよ。WooCommerceっていうECプラグインを無料で配ってそれにあったテーマを売るなんていうビジネスモデルもユニークね。
このテーマは単品でも$90ぐらいからだから、安いっちゃ安いわよね。南アフリカって1人あたりGDPは日本の6分の1ぐらいだから、ここと価格競争してたら日本人は勝てないわね。
こういうテーマはだいたい設定画面がついていて、ロゴとかトップページのスライダー用アイキャッチ画像を設定すると、そのまま使えるようになっているわ。色も何種類かから選べたりして、値段のわりにはお得よね。
ランサーズとかで3万ぐらいでロゴを発注してハイ終わり! とやれば、5万円以内でハイクオリティWordPressサイトが出来上がるわ。もちろん、それで納得できれば、だけどね。
暫定結論: そのまま使えば安い
上記の前提をふまえると、有料サービスを使おうが使うまいが、無料で手に入ったり買ったりしたものを組み合せるだけでWebサイトは作れるわ。かかっても初期費用で10万いかないわね。この時点では「WordPressによる開発はメチャ安い」と結論づけることができるわね。楽天より安いわよ。
じゃあ、なにをすると開発費が高くなるのかっていうと、それはカスタマイズよ。
前提4. カスタマイズ費用=人件費
テーマやプラグインをたとえ無料で入手できても、カスタマイズするとお金がかかるわね。それも、運良くテーマ開発者やプラグイン開発者に協力を仰げれば安くあがるかもしれないけど、ほとんどの場合はそうじゃないわよね。
上に挙げたWooThemesでも、いざカスタマイズをするとなると次のような手順を辿ることになるわ。
- とりあえずドキュメント(英語)やテーマファイルを読んで理解する
- 要望する機能を実現するためのコードを仕込む
- フックなどのカスタマイズ用APIが提供されていない場合はアップデートの度に差分を取る
この中でも1番目の「理解する」というのが一番大変よ。他人の作ったソフトウェアのカスタマイズって、他人の部屋を掃除するのと似ているの。その部屋の持ち主にとっては意味のある配置かもしれないものが、掃除する人に取ってはただ散らかっているだけに見えたりするからね。特にPHP開発の場合は異常に長い関数名を追いかけ続けるという腹立たしい展開になることがほとんどよ。
もちろん、その理解するために必要な時間というのは、人件費としてかかるわよね。CakePHPなんかのフレームワークでも規約に則っている部分は共通理解としてすぐにわかるということになっているけど、そうじゃない部分は結局独自仕様についてのドキュメント(←ほとんどないけど)やコードを読む工数が必要になってくるわ。
こうなると、クライアントとベンダーで意見が対立することが多くなってくるのよ。
- クライアント……なんでAというプラグインにBの機能をつけるだけでこんなにかかるんだ?
- ベンダー……こんなクソコード読み続けてこれしか請求できないのか……
この誤解を解くのはけっこう難しいわ。ほんとうは「プラグインの配布」と「受託の請負」は目的も利益の源泉も違うんだけど、うまく説明できないベンダーも多いんじゃないかしら。
私はこの違いを「ラジオ体操」と「マッサージ」の違いだと思ってるわ。どちらも「体調を良くする」という目的は同じだけど、自分でラジオ体操をする分には無料で、マッサージ屋さんに行くと30分4000円とかするわよね。もちろん、Hなマッサージだったら、もっと……って、セクハラよ! 変なこと書かせないでよね!
ともかく、この違いを説明するのは骨が折れるわ。
WordPressの開発費を高くしないために
けっきょく物が高いとか安いとか、そういうのは納得感の問題なのよね。WordPressのように高機能なソフトが無料で配布されているっていうのは奇跡みたいなことなんだけど、もう当たり前のことになってしまったわ。
この納得感を保つためには、次のようなことに注意すればいいんじゃないかしら。
クライアント
- カスタマイズせず、プラグイン・テーマの組み合わせや設定だけでなんとかする
- カスタマイズはサイトから得られる収益の中で回収できる範囲で行う
- 極力内製化できるような環境を整え、WordPressを利用するにあたっての発注スキル上げる(=誤発注のリスクを減らす)
ベンダー
- 他人が作ったものカスタマイズを極力請け負わない
- 自分のテーマやプラグイン、サービスを提供し、そのカスタマイズを安価に提供することで利益を得る
こんな風にすると、お互いわりと納得感のある未来が訪れると思うわ。それじゃあ、寒くなってきたけど、みんなも身体に気をつけてね。私ももう肌のお手入れして寝るわ。ネカマだけど。
著者情報
- WordPressと家庭菜園が趣味のネカマよ! よろしくね!
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