レスポンシブウェブデザインの相場観とは

2012.08.29 | ディレクター一問一答 | |
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ブルーです。

先日のWordBench Kobeの「レスポンシブデザインやるなら座談会」に出席しました。主に経験者がどんどん発言してレスポンシブデザインで困ったことやAndroidの不思議仕様、レスポンシブデザイン案件でのディレクションの進めかたやAndroidの不思議仕様、実機確認どうしてるの?という疑問、あとAndroidの不思議仕様などについて情報交換しました。マジviewportの指定通りに動かないとかヤメテ。

その中で、これからレスポンシブデザインを提案してみようと思っている方から、「レスポンシブならプラス○万円、UA切り替えなら○万円、みたいな相場観はありますか?」という質問が出たのですが、個人的にはこういうオプション的な考え方では無理だと思います。

理由のひとつは、もしオプションとして提示してしまうと、「予算の関係で不必要って言ったけど、やっぱりスマートフォン必須ということになったから、お願い!プラス○万円でしょ?」とあとから言われる可能性が高いです。ただ、モバイル対応はもうワイヤーフレームを切るところから、デザインのやり方から、コーディングの仕方まで全部変わってくる。となるとほぼやり直しに近くなるわけです。

とはいえ、そうであるならば、もしオプション的にレスポンシブデザインを提示することができれば、他にない強みとしてウハウハ稼げる可能性はあります。そのためには、お客さんから言われなくても日常的にレスポンシブデザインに対応することを考えておいたほうが良いということです。レスポンシブデザインに今すぐ取り組むべき理由の一つはコレかなと思う次第です。

もうひとつの理由としては、レスポンシブデザインはあくまで実装手法のひとつであって、ユーザーエージェント(UA)でHTMLを出し分ける旧来のモバイルサイトの実装方法とは必ずしも矛盾しないということです。レスポンシブデザインにもまだまだ課題があって、回線の細いモバイル環境でPCと同じクオリティの画像を出すのか?とか、FacebookのLike Boxやコメントフォームがレスポンシブ対応していないのではみ出すとか、サイドバーのカラムを落として縦に並べるのはいいけど、モバイルデバイスで見ると縦に長すぎて見にくい、など、困ったことが起きます。そういう個々の不具合はUAの切り替えでやっちゃいましょうか、という柔軟な発想が肝要だと思います。

WordPressには幸いな事に wp_is_mobile関数 という便利なものがありますので、全体のレイアウトはレスポンシブデザインで全デバイス対応しつつ、個々の不具合はUAの切り替えで逃げる、という対応が比較的簡単にできます。レスポンシブで提案しちゃったから何が何でもレスポンシブにしなきゃダメだ、という発想ではなく、最終的にはそのサイトを使うユーザー体験で判断しないといけません。

そんなこんなで、レスポンシブデザインには課題もあるけれど、「レスポンシブ対応の相場観」というのは今後も出てこないんじゃないかと思いますし、ウェブ制作の一手法として定着するだけだと思いますので、なおさらいますぐ取り組むべきではないかと思っております。

レスポンシブデザインのためのディレクション術は、WordPressコミュニティではおなじみの @khoshino さんや関西のクリエイター @yuka2py さん、 @nukaga さんが発表され、資料も公開されていますのでぜひご覧ください。

» 8/26 WordBench神戸 レスポンシブデザインやるなら座談会のふりかえり

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