スポンサードリンク




 

どうもこんばんは。 夜の弁護人、WP-オレンジです。
さていきなり本題です。

いますよね。
金払わない人。
何かと言い訳して払おうとしない人。 イチャモンつけて逃げようとする人。

最低!!
ディレクターとしてそんなヤカラを黙って見過ごす訳にはいかない。
お天道様が許してもこのディレクター様が許さない!!!
本日は、そんな「悪徳クライアント」に打ち当たる前に、まず確認しておいた方が良い

実録!知って得する少額訴訟!!

をお送りいたします。

 

 

少額訴訟ってナニ?

はい。そのまんまです。 簡潔に言うと「60万円以下の金銭支払いに対して簡易裁判所で行われる裁判」です。

例えば30万でサイト制作を請け負った。でも相手が払ってくれない。
はい。少額訴訟で裁判!!!!! てな具合です。

通常の裁判よりも簡潔で、且つスピーデーィに終わるので、とても有り難いシステムです。

 

少額訴訟に至った経緯

まずはここから話さねばなりませんね。
皆さんも「うぉ!予定の50万が支払われてない!」とかいう恐怖体験の一度や二度はあるんじゃないでしょうか。 ワタシもありました。
相手は良くいる「成金会社」です。 「あ、今月払います。」などと宣って、結局のば〜しのば〜し。最後は音信不通。最悪パターンです。

最初のうちは「お願いします」メールをしていた私も、1ヶ月過ぎ。2ヶ月過ぎ。3ヶ月をすぎた辺りで我慢の限界を迎え、ついには少額訴訟に至ったわけです。

ついでに言うと、今後こういった相手が出てきた時の為に、自分でも知っておく必要があるんじゃないかと思い、暇な時間を使ってやってみました。

 

 

っちゅーわけで少額訴訟してみたよ

手順は簡単に書くと「書類提出」→「口頭弁論」→「争う」→「判決」→「支払い命令」です。 はい。結構簡単ですね。 でも正直に言います。

超メンドクサイ。

ぶっちゃけ素人でも手続きはできます。裁判所の職員は聞けば教えてくれるので。

ただ、素人がやろうとすると、おそらく2人日くらいの作業は覚悟した方が良いでしょう。 「え〜…それなら他の仕事して稼いだ方がいいや」と思ったそこのディレクタさん! ご安心ください!

代行業者に頼めばいいんです

費用はマチマチですが、1万程度(内容証明とか)から可能です。パーセンテージで取っているところもありますが、せいぜい数万レベルです。 今回うちは後学の為に自分たちでやってみましたが、世の中には司法書士という先生がいらっしゃる!! 恐れる事は何も無い!!!

ちなみに。

色々「少額訴訟」で検索すると代行として行政書士さんのサイトもいっぱい出てくるので、当初ワタシは「代行は行政書士の仕事なんだなー」とか思ってましたが、代行出来るのは司法書士さんらしいですヨ。

 

実際にやった事

何よりもコレが重要ですよね。 最初の第一歩でもある「事件の申し立て」。
完全な法素人であるワタシにはなんのことやら。
結局やったのは、「裁判所行く」→「必要項目聞く」→「帰って書類作る」→「裁判所行く」→「書類確認」→「ミス発見」→「必要項目聞く」→「帰って書類作る」→「裁判所行く」→「ミス発k…………… まぁ少なくとも3回は足運んでますね。

「は〜やっと手続き終わったぜ」とか思っていた矢先、今度は裁判所から書類がやってきます。 そう。書類出すだけでは終わらないんです。 後日やってくるんです。

「口頭弁論の呼び出し状」

これはもちろん行くしかありません。というか行かないとダメです。

「おぉ。なんかモノモノシイものがやってきたな。ついにワタシも原告デビューか。」なんて思いながら、 いざ相手と対峙したらどう言い負かしてやろうか。 ヤツラはなんて逃げようとするだろうか。 ああ来たらこう言えばいい。 こう来たらこう躱し。 蝶のように舞い蜂のように刺す…
ワタシもそんなイメージを練り上げて裁判所へ乗り込んだわけです。

で、当日。

裁判所なんてそうそう訪れる場所ではないので、入るだけでも緊張です。 なんか自分は悪い事していないのに警察見ると逃げてしまう子供の心境…。 「●番法廷でお待ちください。」と書かれた呼び出し状を片手に、憎き相手が来るのを待っていました…。 …待っていました…。 …待っていました…。 …待っていました…。 …待っていました…。

………………………来ねぇ!!!!

来ないんですよ旦那! なんすかヤツら!! こっちがわざわざ来てやったのに!!! きぃぃぃぃ!!!!

…となりそうな所ですが、実はこれは逆にラッキーなのです。 なぜなら相手が来なければ

その場で不戦勝

しかも少額訴訟には控訴がありません。いやー。来なくてよかったー。なんてるんるん気分で帰って、、、、、というわけにはいきません。 実はここからが本番! ここからが大事なんです!!

 

差し押さえしちゃうよ

裁判が終わり数週間もたつ頃には、ワタシの手元にも「判決状」という物がやってきました。 ひとまずはこれで一段落かなぁ。と思いながら、請求が処理され、無事にワタシの手元にお金がやってくるのを待つ日々… …日々…。 …日々…。 …日々…。

………………………やっぱり支払いがねぇ!!!!

そうなんです。 ここ重要なんです。

裁判の判決はどっちが悪いか決めるだけで強制力は無いんです。

アホか日本!!!と思うでしょう。 ワタシも思います。 アホなんですたぶん。 弱者を守る気とかサラサラ無いです。

じゃぁどうするか?

そう。 まだ手はあります。 世に伝え聞いた

強制執行

これは「あいつら払わねぇからコレ差し押さえちゃって。」というお願いを裁判所にする事で、強制的に財産を奪取する方法です。
しかし実はこれにも重要な…というかマヌケな穴があります。
なぜなら

「ナニを差し押さえるかは自分で調べてね」

と言われるからです。 もうホントいやこの国。

そうは言ってもこのまま引き下がれないので、一応というかなんと言うか、最も差し押さえしやすい「銀行口座」に目を付けたワタシは、まず相手のサイトにアクセス。 主要取引先銀行をチェックし、さらに相手はダレも見ていない様なECサイトも持っていたので、そこから振込先銀行をチェック! その情報を手に、銀行差し押さえ手続きをしてみました。
ここでのポイントは「銀行口座は口座番号とかはいらない」という点です。

実は差し押さえの時は「銀行は支店名と口座名がわかればOK」

口座名というか、まぁつまり会社名ですね。ワタシもはじめて知りました。

さてさて。 じゃぁもう口座も押さえられるし、いざ差し押さえをお願いしに書類を提出す………

ってちょっと待って!!

ここでもまだポイントがあります! 通常差し押さえの手続きをすると、相手に通知が行きます。そして銀行にも通知が行きます。 ここで注意なのは「相手にも通知が行く」ことです。 裁判によるのかもしれませんが、ワタシの時は同時期に発送されていました。 つまり相手が通知に気付いたら口座からお金を抜かれる。という事です。 これはどうしても避けたいところですが、聞いた感じでは「銀行に先に着く」というニュアンスでした。あくまでニュアンスです。
ならば。と少しでもリスクを減らす方法はあります。

相手が確認し難い時期を狙う

です。 例えば年末年始。お盆。GW。 平日であっても事務所に行かない可能性の高い時期はチャンスです。 さらに。 銀行からお金を差し押さえるにあたって最も重要な点があります。
それは

無い袖は振れない

金がない口座からは取れません。

こればかりはどうしようもないのか…? いや、でもできるだけナントカ。避けたい。 という事で、少しでもお金の入っている時期を狙う。つまり差し押さえの申請は「大口を支払う可能性のある日のちょっと前」が良いんです。

よくある日としては「給料日前」「月末の支払い前」などです。 だいたいの会社は銀行に支払い用のお金を入れておきます。 その時期を狙うように裁判所の職員さんに助言してもらいました!ありがとう!

でもね。

差し押さえってワタシのイメージではもう「完全口座凍結!」だと思ってたのにそうじゃないらしい。差し押さえ書類が銀行に来た瞬間。その時のお金を押さえてくれるダケ。その後口座の凍結もナシ。だからまた普通に口座使えちゃう。アホバッカか!

 

そんなこんなで少額訴訟のポイント!!

今書いていただけではなく色々な勉強もしました。
全部はさすがに書ききれませんし、たいした事ではないようですが、非常に大事な事なのだと痛感しましたので、今回ワタシが気付いた点をまとめて書いておきます。

  • 当たり前だが発注書か契約書は取ろう
    (最悪メール等も証拠になるが、電話はダメ!)
  • 発注書や契約書等に「銀行名と支店名」も入れてもらう
    (これがあれば差し押さえ率UP!)
  • あらかじめどのタイミングを納品とするか決めておく
    (WEBやデザイン等の納品がわかり難いものははっきりさせた方がよいヨ)
  • さりげなく給料日を聞く
    (大きな支払いがありそうな日が想像できるヨ)
  • 10万を超えたら司法書士
    (その方が楽ですし回収率も上がります)
  • 内容証明だけなら1万程度でできる
    (裁判に行く前にこれで済んでしまう事もあるそうです)
  • 相手に請求できる交通費は口頭弁論の時の分しか出ない
    (これは自分で手続きしなければ解決ですね)
  • 手続き費用は色々入れておよそ2万程度
    (勝てば後で回収できるよ)
  • 基本は相手の住所管轄である簡易裁判所に出す
    (遠かったらホント困るよ)
  • 1年間に同じ裁判所に10回までしか訴訟できない
    (同じ地域で何度もできません。まぁ普通しないけど)
  • 差し押さえできるのは1回じゃないので複数口座とかもOK
    (でも一つやる毎に差し押さえ手続きと費用は増えていくの…)
  • 基本差し押さえた瞬間のお金しかもらえない
    (銀行にもよるらしいけど、口座凍結すらしてくれない。)
  • 控訴はできない
    (勝っても負けても1回勝負です)

そして何より大事な事

怪しいと思ったら手を引く

これに限りますねー。     あ。ちなみに今回の裁判で請求したお金ですか?

ヤツラ口座に800円しか入っていなかったのでまだ回収出来てません。
 

 
※文中で当初「代行は行政書士さん」という書き方をしていましたが、「少額訴訟を代行できるのは行政書士さんではなく司法書士です・・・代理でも書類作成でも。」との指摘をいただき修正しました。ワタシの勉強不足でした。すいません。

参考図書

身近なトラブルを「少額訴訟」で解決する本
困ったときにすぐわかる少額訴訟の起こし方・勝ち方
書式 少額訴訟の実務―訴え提起から執行までの書式と理論 (裁判事務手続講座)